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概要

PRODUCTS CATALOG Vol.6

ガラス体積計の基礎知識JIS R 3505改正原案作成委員会委員長穂坂光司**JIS R 3505制定担当1ガラス体積計の基本的なこと1-1水際の視定方法ガラス体積計の製造の際の目盛付けには水を用いています。これは各国とも同じです。したがって、水面の境界と目盛線との関係を定めることが必要になります。この水面の境界を、日本では水際(スイサイ)と呼びます。英語、仏語、独語では、いずれも新月や三日月になぞらえて、たとえば英語ではmeniscus、独語ではmeniskusといっています。この水際と目盛線とは、図1のように視定することが国際的に統一されています。すなわち水際の最も深いところ(新月形の最下部)を、ある幅をもった目盛線の上縁を通る水平面に一致させることです。検定規則では水平視定と呼んでいました。図1水際の視定方法(a)正規の方法(b)青白線(青筋)のとき1-2正しい視定を行うために一概に水平視定といっても、眼をこの水平面上に置くことは感覚的に判断することは難しいことです。そこで、メスフラスコや全量ピペットのように1本しかない目盛線やその他の器種の主要な目盛線は、この水平規定が正しくできるように、目盛線が管部の全周にわたって付けられています。すなわち、正面と背面の目盛線を見通して、眼をこの平面上に置くわけです。目盛線がたくさんあるビュレットやメスピペットの10本目ごとの目盛線にこの全周目盛線が付されているものがあるのはこのためです。正確な分析を必要とするようなときには、是非このようなものを選んでください。尚、弊社製品の体積計は、全周目盛線が付されております。1-3受(ウケ)用、出(ダシ)用この呼び方には多少の違和感を持たれることでしょう。米国では前者をTo Contain(略号TC)、後者をTo Deliver(同様にTD)、独語ではそれぞれEingussのE、AusgussのAと呼んでいますから、おおよその見当はつくことでしょう。すなわち、標準溶液などを作るときに用いられるメスフラスコなどは、前述の視定方法に従って全量の目盛まで液体を入れたときに、中に入っている量が、表記されている全量を表すものです。これを、受用で体積が定められているといいます。一方ピペットやビュレットは、排出先端の穴によって決まる固有の排出時間によって、外に排出された液の体積が、それぞれ表記された体積となります。同様に、出用で体積が定められているといいます。024