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概要

PRODUCTS CATALOG Vol.6

ガラス体積計の基礎知識2全量ピペットの使い方全量ピペットで試薬などを計り取ってみればすぐ経験することですが、垂直に保持したピペットから液が流出し、終わり近くなってからポタポタと滴下状態となり、先端にいくぶんかの液を残して流出が止みます。注意しなければならないのは、この先端に残った量の扱いです。計量法に基づく検定では、この残液は排出すべき量の方に含まれていました。しかもこの量は当時の検定公差を左右するほどの量になります。この扱い方については、残念ながら国際的にはまだ統一されていません。2-1日本の例流出が止まったあと、ただちに上部吸入口を、たとえば右人差し指でふさぎ、左の手のひらでピペットの胴部を握り、中の空気を暖めてその膨張で液を押し出します。このとき、ピペットの先端は必ずこの受器の内壁に付けておくことです。先端を空間に向けたままこの動作をしますと、いったんは排出しますが、いくぶんかの量がまた吸い込まれてしまいます。この先端を受器の内壁に付けることが肝心です(図3参照)しかし全量が10ml以下のような小さいピペットでは、この方法によっても出ませんので、先端の受器の内壁に付けながら一度軽く吹き出す方法がとられています。図3水際の視定方法2-2外国の例などイギリスや西ドイツの規定では、流出が止まったあと受器の内壁に付けたまま、15秒そのままの状態で待つ方法をとっています。15秒を超えて待つように作られたものには、その待ち時間を表記することになっているものもあります。アメリカの例では、先端を受器の内壁に付けたまま流出させ、流出が止まったときをもって全排出量とし、待ち時間は設けられていません。ISOでは、一般のものはピペットの先端を受器の内壁に付けて流出させ、流出が止まった後3秒待ちを規定しています。15秒待ちのものもあります。日本の方法は、排出量にバラツキの少ない方法です。3ビュレットについて3-1青白線付きのビュレット水際を見やすくする工夫として、目盛が刻まれている面の背面に、白地に細い青線が管軸に平行して入ったガラス管で作られたビュレットがあります。この場合の水平視定は、この青線が水際のレンズ効果で屈折して最も狭くなったところを水際の最深部とみなすことです(図1(b)参照)。この場合には、目盛線が全周にわたっていないことと、背後が白ガラスで不透明なため、眼の位置を水平に定めることが困難です。屈折点は明瞭に見えますが、意外に視定誤差があることに注意してください。026