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概要

PRODUCTS CATALOG Vol.6

製品特徴・使用注意事項011ガラスの種類工業的に酸化物の形でガラスを形成できる主な構成元素はAI,B,Ca,Fe,K,Mg,Na,Pb,Siなど十数種類しかありません。そして、形成されたガラスの特性は酸化物の形成によって決まってくると言っても過言ではありません。ところで、普通良く使われているガラスは、大きく三つの種類に分けることが出来ます。ひとつは、びん類およびコップなどに使われているソーダ石灰ガラスです。二つ目は高級食器や装飾品などに使われている鉛ガラス(クリスタルガラス)です。残りのひとつは医療・理化学用で使われている実験用ガラス器具や一般家庭でも耐熱用食器として使われているホウケイ酸ガラスです。2ホウケイ酸ガラスの特性[1]組成成分SiO?Al?O?Fe?O?B?O?Na?OK?O%80.9 2.3 0.03 12.6 4.0 0.04注:上記の数字は、測定値の代表値です。他のガラスと比較して主成分であるシリカが全体の約80%を占め、残り約20%の内、ホウ酸の含有量が多く、アルカリ成分であるソーダおよびカリの含有量が少ない組成になっています。[2]耐熱的性質ホウケイ酸ガラスはソーダ石灰ガラスと比較してホウ酸の組成比率が高いので線膨張係数(0~300℃)が32.5×10 - ?/℃と非常に小さいのが特徴です。ここで、ガラスは急冷されると表面層に張力を、急熱されると圧縮力を受けます。また、ガラスは圧縮力には強いのですが張力に弱いので割れる原因は普通張力によることが多いのです。従って、線膨張係数が小さいホウケイ酸ガラスの場合、急冷を受けた時内部に発生する張力が小さくなるので割れにくく耐熱性が大きいと言えます。また、ガラスの種類を硬質ガラスと並質ガラスに分類することがありますが、これはガラス表面の硬さで分類したものではなく温度変化に強いガラスかまたは弱いガラスという分類です。従って、温度変化に強いホウケイ酸ガラスは硬質ガラスという事になります。[3]機械的性質ガラスの論理的な強度は非常に大きいと言われていますが、実際は非常に脆く割れやすいものです。それは、ガラスの表面に存在する微細なキズに張力が発生した場合、そのキズに応力が集中しついには耐えられなくなって破壊してしまうからです。この潜在的な表面のキズはガラスを成形するとき、加工するとき、または運搬その他の取り扱い時において発生するため避けにくいものです。従って、ガラスが衝撃を受けた場合その面には圧縮応力が、反対面には引張応力が発生しますので、衝撃の強さおよびキズの如何によっては割れてしまいます。その点、ホウケイ酸ガラスは他のガラスと比較して硬度が大きいのでキズが入りにくいガラスと言えますが、取り扱いには充分注意が必要です。[4]化学的性質ガラスの化学的耐久性とは実用上からみて科学的耐食性のことを言います。ガラスは実用において水、酸、アルカリ、塩類溶液および大気中の水分、炭酸ガスなどによって浸食作用を受けます。ところで、化学的耐久性に対するガラスの抵抗性を試験するのに、実用の見地からは実際の使用の条件で実験するのがよいのですが、長時間を要するので加速された種々の試験方法で行われます。これは表面法と粉末法に大別され、条件を異にした各種各様の試験方法があります。その試験方法の中にJISR3502で規定されている、粉末によるアルカリ溶出試験法があります。ホウケイ酸ガラスの場合他のガラスと比較しアルミナ成分の割合が高く、しかもアルカリ成分の割合が少ない組成のため酸性物質および蒸留水による腐食量がきわめて少量です。しかし、フッ化水素を含むリン酸、熱リン酸、フッ化水素酸および熱アルカリに対しては決して高い耐久性があるとは言えません。特にフッ化水素酸にはいかなる温度においても浸食されます。また、アルカリ性水溶液に対する浸食はごく緩やかですが、温度40℃以上になると浸食は急に早くなります。従って、そういった水溶液のガラスとの接触は極力避けるようにしなければなりません。004